テニスコートに立った瞬間、足元から伝わる独特の緊張感と高揚感。プロのような激しいフットワークを支え、試合の終盤でも疲れを感じさせない一足があるとしたら、それはもはや単なる「靴」ではなく、勝利のための「投資」と言えるでしょう。
私自身、長年週末プレーヤーとして様々なシューズを履き潰してきましたが、ある時思い切って数万円クラスのフラッグシップモデルに履き替えた際、その差に愕然としました。ベースライン付近での急停止、そこからの切り返し。安価なモデルではわずかに発生していた「靴の中での足の遊び」が一切なく、自分の意思がダイレクトに地面に伝わる感覚は、まさに快感の一言です。
なぜ今、あえて「高級」を選ぶのか
高級テニスシューズが提供するのは、ブランドのロゴだけではありません。そこには各メーカーが数億円の純利益を投じて開発した「テクノロジーの結晶」が詰まっています。
例えば、ASICS Court FF 3。このモデルを初めて履いた際、足首を包み込む「モノソック構造」のホールド感には驚かされました。まるで足の一部になったかのような一体感があり、左右に振られた際の安定感は群を抜いています。
また、Nike Air Zoom Vapor 11のようなモデルは、爆発的な一歩目をサポートしてくれます。搭載されたクッショニングシステムは、着地の衝撃を効率よく次の一動へのエネルギーに変換してくれるため、3セットマッチの後半でも足が驚くほど動くのです。
体感してわかった「高級機」の共通点
多くのハイエンドモデル、例えばWilson Ultra Ultimateなどを履き比べて気づいたのは、以下の3点です。
- 関節への優しさ: 翌日の膝や腰の重みが劇的に変わります。高密度の衝撃吸収材は、アスリートの選手寿命を延ばすための知恵です。
- 耐久性の逆説: 価格は高いですが、アッパー素材やアウトソールの耐摩耗性が非常に高いため、結果的に長く使えてコストパフォーマンスが良いケースが多々あります。
- メンタルへの影響: お気に入りの、そして最高級のギアを身にまとっているという自信は、接戦時の集中力を底上げしてくれます。
失敗しないための選び方のコツ
どんなに高価なLacoste AG-LT23 Ultraであっても、自分の足型やプレースタイルに合わなければ宝の持ち腐れです。
- サーフェス専用設計を選ぶ: オムニコート(砂入り人工芝)がメインなら、必ずオムニ専用の高級ソールを選んでください。オールコート用を無理に使うと、せっかくのグリップ力が発揮されません。
- 「剛性」と「柔軟性」のバランス: 自分がパワー系で激しく動くなら剛性の高いモデルを、テクニック重視で細かく動くなら、適度な屈曲性を持つYONEX Eclipsionシリーズの最上位機種などを選ぶのが正解です。
最後に
テニスは足のスポーツです。ラケット選びにこだわる方は多いですが、実はスコアを最も左右し、かつ体への負担を軽減するのはシューズに他なりません。
一度、最高峰のスペックを備えた一足に足を通してみてください。コートを縦横無尽に駆け抜ける喜びが、今までとは全く違う色に見えてくるはずです。


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