かつて、テニスコートで圧倒的な存在感を放っていた「白いラケット」を覚えているでしょうか。イワン・レンドルが愛用し、その独自の打感で世界を席巻したオーストリアの至宝、クナイスル(Kneissl)。
しばらくの間、日本のマーケットからは姿を消していましたが、2024年、ついに最新モデルクナイスル プライムスターと共に本格的な再上陸を果たしました。今回は、往年のファンならずとも見逃せない、この「新生クナイスル」を実際にコートで振り抜いてきた体感レポートをお届けします。
独自の波型フレームが生む「異次元の安定感」
手に取ってまず驚くのは、そのフレーム形状です。「コルゲーテッド・コンベックス・コンセプト」と呼ばれる波打つようなサイドフレームは、単なるデザインではありません。
実際にインパクトした瞬間、フレームがねじれる感覚が驚くほど少ないことに気づきます。一般的なラケットなら「あ、今の少し外したな」と思うオフセンターのショットでも、クナイスル プライムスター ブラックは面が負けることなく、狙ったコースへボールを押し返してくれました。
この面安定性の高さは、ボレーにおいて最大の武器になります。相手の強打に対しても、面をセットするだけで「パチーン」と鋭く弾き返してくれる安心感は、一度味わうと病みつきになります。
「素直すぎる」打球感に驚く
最新のクナイスル テニスラケットは、見た目のインパクトとは裏腹に、非常に「素直」な性格をしています。
- ストローク: 勝手にスピンがかかるようなアシスト感は控えめですが、自分がスイングしたパワーがそのままボールに伝わります。フラット〜ドライブ系で真っ直ぐ打ち抜く快感は、まさに高弾性カーボンの真骨頂。
- 振り抜き: トンボの羽から着想を得たという「ドラゴンフライ・パターン」のバンパーが効いているのか、空気抵抗を感じさせないスムーズなスイングが可能です。
- 打球音: 高めの澄んだ打球音がコートに響き渡り、打っていて非常に心地よいリズムが生まれます。
伝説の「ホワイトスター」のDNAは生きているか?
80年代、クナイスル ホワイトスターを振り回していたベテランプレイヤーにとって、クナイスルは「肘に優しい」というイメージが強いかもしれません。
今回のプライムスター ホワイトを試打した際、そのマイルドなホールド感に懐かしさを覚えました。現行の硬いラケットに慣れた層には新鮮に、昔を知る層には「これこれ、この感触」と思わせる絶妙なチューニングが施されています。
スペック比較:ブラック vs ホワイト
自分のプレイスタイルに合わせて、以下の2モデルから選ぶのが正解です。
- クナイスル プライムスター ブラック (300g): しっかりと振り抜いて、重いボールを叩き込みたい中上級者向け。
- クナイスル プライムスター ホワイト (285g): 操作性を重視し、ダブルスで機敏に動きたいプレイヤーや女性におすすめ。
結論:誰とも被りたくない「こだわり派」の最終回答
テニスコートを見渡せば、誰もが似たようなカラーリングのラケットを使っている現代。その中で、この唯一無二のフレーム造形と白と黒のコントラストは、強烈な個性を放ちます。
「人と同じものは使いたくない、でも性能に妥協はしたくない」。そんなワガママな願いを叶えてくれるのが、新生クナイスルです。単なる懐古趣味ではない、最新テクノロジーが詰まったこの一本で、あなたのテニスに新しい風を吹かせてみませんか。


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