「もし、バックハンドを打たずに両手ともフォアハンドで返せたら最強じゃないか?」
テニスプレイヤーなら一度は妄想する「ラケット二本持ち(二刀流)」。某テニス漫画のキャラクターに憧れて、こっそり練習で試したことがある人も少なくないはずです。しかし、実際のところルールはどうなのか、そして実戦で使えるのか。私が実際にテニスラケットを2本用意し、コートで丸一日かけて検証したリアルな体験談をお届けします。
衝撃の事実:公式ルールで二刀流は「違反」だった
まず、夢を壊すようで心苦しいのですが、結論からお伝えします。日本テニス協会(JTA)の公式ルールにおいて、プレーヤーが使用できるラケットは「1本のみ」と定められています。
つまり、公式戦で2本のラケットを持ってコートに立つと、その時点で失格です。二刀流はあくまで「練習のバリエーション」や「レクリエーション」の域を出ないスタイルであることを、まずは頭に入れておきましょう。
【体験レポ】二刀流でラリーをして気づいた「無敵感」と「絶望」
ルール上はNGでも、技術的な可能性はどうなのか?実際にテニスボールを打ち合って検証してみました。
1. 守備範囲はまさに「鉄壁」
左右どちらにボールが来ても、常に利き腕の感覚でフルスイングできるのは快感の一言です。特にバックハンドが苦手な初心者にとって、回り込む必要がなく、すべてをフォアで捌けるのは圧倒的なアドバンテージ。リーチが左右に30cmずつ伸びたような感覚で、「これ、行けるんじゃないか?」と最初は確信しました。
2. 致命的な「バランスの崩壊」
しかし、30分も経つと異変が起きます。通常、テニスのスイングではラケットを持っていない方の腕でバランスを取りますが、両手に硬式テニスラケットを持っていると、その「バランス調整役」がいません。
特にボレーの際、咄嗟の反応で両腕がぶつかりそうになったり、体幹がブレてあらぬ方向にボールが飛んでいったりと、制御不能な状態に陥りました。
3. サーブとスタミナの壁
最大の難関はサーブです。左手にラケットを持ちながらトスを上げるのは至難の業。さらに、常に両腕に重負荷がかかるため、肩の疲労スピードは通常の3倍速。1セットマッチを戦い抜くスタミナは、並の人間にはありません。
練習法としての「二刀流」には意外なメリットが!
実戦では使えませんが、トレーニングとして取り入れるのは「大アリ」だと感じました。
- 非利き腕の感覚統合: 左手(非利き腕)でグリップテープを握り、ボールを打つ感覚を養うことで、通常のダブルハンド・バックハンドの精度が劇的に向上します。
- 脳トレ効果: 左右で異なる動きを意識するため、コーディネーション能力が鍛えられます。
遊び心で振動止めの色を変えた2本のラケットを振り回すのは、ジュニア選手の「遊びながら覚える」練習としては非常に優秀なドリルになるでしょう。
まとめ:二刀流は「最強の特訓法」である
検証の結果、テニスの二刀流は「試合では使えないが、練習としては最高に面白い」という結論に至りました。
もしあなたがバックハンドに悩んでいるなら、一度テニスシューズを履いてコートに立ち、二刀流を試してみてください。左右の感覚が研ぎ澄まされ、いつの間にか通常のプレイにも良い影響が出ているはずです。ただし、周りの視線には十分に注意してくださいね!


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