「もっとエグい軌道のスピンを打ちたい」「振り抜きを妥協したくない」そう考えているプレーヤーにとって、YONEX VCORE 98は避けては通れない選択肢です。
私自身、長年「98インチ・305g」という黄金スペックを渡り歩いてきましたが、VCORE 98をコートで試した瞬間の「ボールを掴んで放り投げる」ような感覚は、他のラケットにはない独特のものでした。
今回は、実際に数ヶ月間ガッツリ使い倒して見えてきた、カタログスペックだけでは語れない「リアルな使用感」を余すことなくお届けします。
実際にVCORE 98を使ってみて感じた「3つのリアル」
1. 打球感:柔らかさとホールド感の共存
まず驚いたのは、インパクト時の衝撃の少なさです。シリコーンオイルを浸透させた新しいグロメット構造のおかげか、ガットが動いてボールを包み込むような「食いつき」を強く感じます。
硬いポリエステルガットを張っても、嫌な振動が手に残らない。自分のスイングパワーがダイレクトにボールに伝わり、コントロールできているという安心感が、次のショットへの自信に繋がります。
2. スピン性能:弾道が勝手に上がる「跳弾スピン」
「跳弾スピン」というキャッチコピーは伊達ではありませんでした。ベースライン付近で「アウトかな?」と思ったボールが、最後にグンと沈んでコート内に収まる。この安心感があるからこそ、より思い切ってスイングを加速させることができます。
特に高い打点から打ち下ろす順回転のショットでは、相手の足元に急降下するエグい弾道を実現できました。
3. 操作性:98インチならではのシャープな振り抜き
ヘッドがスッと出てくる感覚は、空気抵抗を極限まで減らしたフレーム形状の恩恵でしょう。追い込まれた時のカウンターや、ネット際での素早いボレーの処理において、この「振り抜きの良さ」が何度も自分を助けてくれました。
VCORE 98のメリット・デメリット
実際に使って分かった、良い点と気になる点をまとめます。
メリット:
- 圧倒的なスピン性能:スイングスピードを上げれば上げるほど、回転量が比例して増えていく感覚。
- 高いコントロール性能:98インチのフェイスサイズが、繊細なコースの打ち分けを可能にします。
- デザインの高級感:鮮やかなレッドと緻密なテクノロジーを感じさせる意匠は、バッグに入っているだけでモチベーションが上がります。
デメリット:
- 自力で振る力が必要:ラケット自体が勝手にボールを飛ばしてくれるわけではありません。当てるだけのテニスだと、ボールが浅くなりやすい傾向があります。
- スイートスポットのシビアさ:100インチモデルに比べると、オフセンターで叩いた時のパワーロスは顕著です。
競合モデルとの比較
VCORE 98を検討する際、多くの人が迷うのがVCORE 100やBabolat Pure Aeroでしょう。
VCORE 100が「楽に飛んで回転もかかる優等生」だとしたら、VCORE 98は「自分のスイングを100%反映させたい職人肌」のラケットです。また、Babolat Pure Aeroのような弾き飛ばすスピンに対し、VCORE 98は「運んで落とすスピン」という印象。より精密な配球を求めるなら、間違いなくVCORE 98に軍配が上がります。
結論:VCORE 98は誰におすすめ?
このラケットを最大限に活かせるのは、以下のようなプレーヤーです。
- 自分から積極的にスイングして、重いスピンボールを打ちたい方
- 振り抜きの良さを活かして、ネットプレーやカウンターを多用したい方
- 競技志向で、コントロールとスピンのバランスを究めたい方
逆に、筋力に自信がない方や、楽に深いボールを返したい初心者の方は、VCORE 100から試してみるのが正解かもしれません。
VCORE 98は、あなたのスイングを嘘偽りなくコートに投影してくれる、頼もしい相棒になります。この唯一無二の「掴んで落とす」感覚、ぜひ一度体感してみてください。


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