テニスのミックスダブルスは、単なる男子ダブルスと女子ダブルスの混合版ではありません。男女の体格差、スピード差、そして心理的な駆け引きが複雑に絡み合う、全く別の競技です。
私が初めて草トーナメントのミックスに出場した際、パワーで勝る男性ペアに真っ向勝負を挑んで完敗した苦い経験があります。しかし、セオリーを理解し、ペアとの役割を明確にしてからは、格上のペアからも金星を挙げられるようになりました。今回は、その実体験に基づいた「勝てるセオリー」を余すところなくお伝えします。
ミックスダブルスの大原則「センターセオリー」
まず、ミックスダブルスで最も意識すべきは**「センターセオリー」**です。
- なぜセンターなのか?:ネットの一番低いところを通るためミスが劇的に減ります。
- 相手を迷わせる:男女のちょうど中間に打つことで、「どっちが取る?」という一瞬の迷いを生ませます。
- 角度を封じる:相手に角度をつけさせないことで、自軍が左右に振り回されるリスクを最小限に抑えられます。
以前、テニスネットのセンターベルト付近を狙い続ける作戦を試したところ、相手ペアの連携が崩れ、後半にはお見合い(二人が見送るミス)を連発させることができました。
男女別・ミックスで果たすべき「本当の役割」
男性の役割:コートの3/4をカバーする覚悟
男性は、パートナーの女性を守る「盾」であり、チャンスを仕留める「矛」です。
- 広大な守備範囲:女性側へ上がった甘いロブを、回り込んでスマッシュする献身性が必要です。
- 決め球の精度:女性が必死に繋いでくれたチャンスは、確実に仕留めなければなりません。
- ケア能力:パートナーが狙われているときこそ、自分がどれだけ動けるかが勝負の分かれ目です。
女性の役割:鉄壁の「つなぎ」と前衛でのプレッシャー
女性は、相手男性のパワーに怯まず、スマートに立ち回ることが求められます。
- ミスのない返球:無理にエースを狙わず、深く、あるいは足元へ沈めるショットに徹します。
- 前衛でのフェイント:ポーチに出るフリをして相手男性を牽制するだけで、相手のリターンミスを誘えます。
- ロブの活用:相手男性の頭上を抜くロブは、一気に戦況をひっくり返す魔法のショットです。
実力差を逆手に取る「勝ちパターン」戦術
ミックスでは「女性が狙われる」のが常識です。しかし、それを逆手に取るのが上級者です。
相手女子の足元を執拗に攻める
相手女性の足元にボールを沈め、浮いてきた球を自軍の男性がポーチで仕留める。これが最も効率的な得点パターンです。特にテニスボールが重く感じる後半戦ほど、この足元への配球が効いてきます。
サーブの配球セオリー
男性のサーブはスピードよりも「コース」を重視しましょう。センターへ打ち込むことで、リターンの角度を限定させます。女性のサーブは、相手のバックハンドやボディを狙い、とにかく「浮かせる」ことを目標にします。
ペアの空気を悪くしないためのコミュニケーション術
これが最も重要かもしれません。ミックスダブルスはメンタルスポーツです。
私は昔、ミスをしたパートナーに「今のはもっと前だったね」と論理的にアドバイスしてしまい、彼女の表情を曇らせて試合に負けたことがあります。それ以来、ミスには「ドンマイ!次は行けるよ!」と明るく声をかけ、テニスラケットを軽く合わせるルーティンを徹底しています。
「ごめん」という言葉を「サンキュー」に変えるだけで、ペアの動きは劇的に良くなります。
まとめ:セオリーは「信頼」の上に成り立つ
ミックスダブルスのセオリーは、技術だけでなく、パートナーへの敬意と役割分担の徹底から成り立ちます。自分が目立つことよりも、ペアとして1ポイントをどう奪うか。その視点を持つだけで、あなたのテニスはもっと自由で、もっと強くなるはずです。
次回の試合では、ぜひこの「センターセオリー」と「役割分担」を意識して、コートに立ってみてください。


コメント