「パウダーボードは圧雪バーンだとエッジが抜けやすい」「カービングボードは深雪でノーズが刺さる」。そんなスノーボーダーの常識を鮮やかに覆してくれたのが、YONEX(ヨネックス)から登場したLuvarth(ルヴァース)です。
今回、実際に厳冬期のバックカントリーと、午後の荒れたピステンバーンの両方でLuvarthを乗り倒してきました。その結果見えてきた、このボードの「真の正体」をリアルな体験談と共にお伝えします。
パウダーでの浮力:ISOMETRIC TIPがもたらす「無重力感」
まず驚いたのは、パウダーの中での圧倒的な浮き上がり。これにはYONEX独自の「ISOMETRIC TIP」が効いています。チップの面積が広いため、深雪の中でもボードがスッと水面に浮かび上がるような感覚。
実際の体験として、腰まであるような極上のディープパウダーに突っ込んだ際も、後ろ足に過度な荷重をかけ続ける必要がありませんでした。「ノーズが刺さるかも」という恐怖心から解放されるので、より前方への推進力と、パウダー内での自由なライン取りに集中できるのが最大のメリットです。
圧雪バーンでの豹変:ハンマーヘッドが刻む鋭いライン
パウダーを抜けて圧雪されたコースに戻った瞬間、Luvarthはもう一つの顔を見せます。その正体は「キレッキレのカービングマシン」です。
見た目はパウダーボードですが、有効エッジが長いハンマーヘッド形状を採用しているため、エッジグリップが驚くほど強い。実際にアイスバーンに近い硬い斜面でターンを仕掛けてみましたが、YONEX特有のカーボン技術による反発力と相まって、雪面をガッチリと掴んで離しません。
「パウダーボード特有のフワフワした頼りなさ」は皆無。むしろ、競技用のボードに乗っているかのような安定感で、深いターン弧を描くことができました。
「CENTROid」技術による軽快な操作性
この手の多機能ボードは重くなりがちですが、Luvarthを振ってみて最初に感じたのは「軽さ」です。重心をセンターに寄せる「CENTROid」構造のおかげで、スウィングウェイトが非常に軽い。
タイトなツリーランでクイックな切り返しが求められる場面でも、ボードが足元でピタッと反応してくれます。重い湿雪の中でも、ボードを振り回すストレスがないのは、体力に自信がないライダーにとっても大きな恩恵だと感じました。
メリットだけじゃない?あえて伝える注意点
最高の二刀流ボードですが、誰にでも完璧というわけではありません。
実際に乗り込んで感じたのは、低速域での操作には少しコツがいること。有効エッジが長いため、止まりそうなスピードでボードを横に向けようとすると、エッジが食い込みすぎて引っかかる感覚がありました。このボードのポテンシャルを引き出すには、ある程度のスピードに乗せて、エッジを立てていく積極的なライディングが求められます。
結論:山全体をこれ一本で遊び尽くしたいあなたへ
Luvarthは、朝イチのパウダーから、午後の荒れたバーン、そして夕方のカービングまで、一本のボードで妥協なく楽しみたいというワガママな願いを叶える「究極のオールマウンテンボード」です。
YONEXが誇るカーボン技術の結晶とも言えるこの一本は、あなたのライディングの限界を確実に押し上げてくれるはず。もしあなたが、「パウダー専用機を買うか、カービング機を買うか」で迷っているなら、迷わずLuvarthを手に取ることをおすすめします。この「二刀流」が生む快感は、一度味わうともう戻れません。


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